不動産会社の営業マンって、大変ですね
三十代のころ、不動産物件の広告制作の仕事に携わっておりまして、参考のために、よくいろんな物件を見て回った時期がありました。私が主に担当してましたものは分譲マンションの広告でしたね。当時は至る所でいろんなタイプの分譲マンションが建てられ、販売されておりました。ですから、その売り方も千差万別、あらゆる手段方法を駆使して広告されてたんです。
分譲マンションの販売には大概パンフレットなどが付き物でしてね、このパンフレットを作るのも私たちの重要な仕事でした。ですからいろんなパンフレットを集めたりもしましたね。競合他社のものから、聞いたこともない不動産会社のものまで、さまざまです。こうした分譲マンションのパンフレットを集めるとき、私がやっていた方法というのは、まず住宅専門の情報誌を買ってきます。今でこそ、そうした情報誌はテイクフリーということで、無料で駅構内にご丁寧にラックにさしてありますが、その当時はわざわざお金を出して買うしか方法がなかったんですね。ホント、今は便利でいいですね。
で、そうした雑誌には現在販売されているあらゆる物件が広告されてるんですが、簡単なアンケートに答えて綴じ込みのハガキを送ると、その物件のパンフレットなり資料がもらえます。私は片っ端から送りました。するとあるとき、私の家にある不動産会社の営業マンが訪ねてきたんです。「資料請求、ありがとうございました。つきましては当物件のご見学をと思いまして、迎えにまいりました」と言うのです。
私はただ資料だけが欲しかっただけなのですが、ご丁寧に物件へ案内してくれるというんです。もちろん、私はそのときはマンションなんて買うつもりは毛頭ございませんでしたから、何度も断ったんです。でも、相手の方が上手でした。私はカミさんと子供をつれて、向こうのクルマに乗せられまして、その物件まで向かったんです。トホホ、です。不動産会社の営業って、大変ですね。